市民がつくる社会的金融と休眠預金についての学習会

神奈川ネット学習会で「女性・市民コミュニティバンク」向田映子さんにお話を伺いました。

 私たちは、銀行や郵便局に預けたお金の使い道にどれほど関心をはらってきたでしょうか。ほとんど公開されていない融資先をたどっていくと、兵器産業や戦争継続のための資金であったり、大規模開発や人権侵害・自然破壊を引き起こしているODAへの融資であったりします。こうした事業に反対でも、資金提供を通じて支援してきたことになります。それは、お金の教育を受けておらず、無関心でいる私たちの責任でもあります。

金融機関は、女性たちが行う市民事業については融資の対象から外してきました。そこで、市民がお金を出し合い、地域社会が必要としている市民事業等に融資する、非営利・相互扶助の透明性の高い金融機関として「女性・市民コミュニティバンク」はつくられました。鎌倉市内では放課後ディサービスや障害児の地域生活支援を行う「鎌倉はっぴーくらぶ」さんへ車両買い換えや移転・改装費用の融資をしています。厳しい審査のもと、今後の事故の再発防止策、リスクマネジメントなどの検討や提案も行い、融資が決定されています。

現在、NPOバンクは全国18カ所に増え、金銭的リターンが無くても社会的リターンに意義を見出す出資者の存在も証明されてきましたが、既に欧米では社会的金融が評価され、助言活動などの経費を助成する法律があります。今後、日本でも市民金融を支援する法制度が必要ではないでしょうか。

 後半の休眠預金(10年以上わたり取引きしていない口座に眠っている預金)のお話では毎年、日本では850億円も休眠預金が発生していることに大変驚きました。諸外国では休眠預金を活用した「基金」がつくられ、障害者や教育に恵まれない人々を支援する動きが広がっています。

日本では、お金を所定の機関に移管し、民間公益活動のために活用する制度「休眠預金等活用法」が2018年1月1日から施行され、2019年1月1日から実際の休眠預金が発生しています。今年は資金分配団体に20億円が流れると言われています。子どもや若者の支援、地域活性化の支援、日常生活に困難を有する者の支援など、複雑化した社会問題を解決するための革新的な手法を開発し、実践されることを期待します。そして、資金が正しく社会貢献に使われているか、支援後のきちんとしたチェックも必要だと感じました。